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新書を狙う

すべてを総動員して現実の課題とからめながら考えているのです。 テーマが設定されるとそれまでの蓄積が動きはじめ、新しい発想が引き出されます。
3つ目は、自分の考えを人に伝える「伝達する能力」です。 相手が納得することがポイントです。
私はコミュニケーション能力を高めるために「図解によるコミュニケーション」を提唱しています。 情報をすばやく理解する、斬新なアイデアを考える、相手を納得させるプレゼンテーション能力を身につける。
そのために非常に有効な方法だと考えています。 今まで左脳だけに頼っていた「理解・企画・伝達」というコミュニケーションが、P図解を使えば右脳も活用できるようになります。
より洗練されたコミュニケーションへと磨かれていくわけです。 周りを見回しますと、理解する能力は高いけれど、伝達する能力が低く、企画する能力はほとんどない、という人が多いように思います。
日本の経済成長の過程で、企業においても学校教育の場においても、ものごとを深く考える能力が求められなかったからではないでしょうか。 自分のことを思いおこしてみても、学校教育で「考える」方法や楽しさなどを学んだ記憶は残念ながらありません。
これからの時代、自分自身で考え、判断する意志を持たなければ、「なりたい自分像」を描き、心豊かな人生をおくることが難しくなります。 職業生活においてコミュニケーション能力を高めることは、とりもなおさず人生そのものを主体的に構築することなのです。
文章ですべてを表現する限界を知り、図解表現が生まれた「読書百遍、意自ら通ず」という有名な言葉があります。 難しい文章でもくり返して読めばわかるようになるという意味です。

わからないのは読み手の理解力が不足しているからだ、と言っているように聞こえます。 現在、わかるため、知るためのツールは文字だけではありません。
私の父は相当難しい本も読んでいました。 理解するまで何度も読みます。
「もう少し頭が良かったらなあ」とため息をついたこともありました。 わからない自分が悪いと思ってしまうのです。
それなのに文筆家でもあった父は、他人が父の文章を理解できないと「自分の文章力が悪い」と落ち込んでしまいます。 永久に救われない構図です。
「文章」はそれほど完璧な表現手段なのでしょうか。 伝達のツールとして疑問の余地もないほど有効なものなのでしょうか。
よく「箇条書きにしてください」と言われます。 キーワードを探し、大事なことを思いついた順番に並べますが、それぞれに因果関係はなくて並列です。

部分間の関係を表していませんから全体の構造もわかりません。 箇条書きは、書いたことで了解したように錯覚してしまい、その事柄の本質を考えることをしないままで終わってしまうという弱点があります。
私も「起承転結」「見た通りに書く」など、文章を書くためのコツを勉強したのですが、どうも違和感をしていました。 文章だけですべて相手が理解できるよう表現できるものなのでしょうか。
まだビジネスマンだったころ、部長や課長、もちろんその上の社長や重役を見ていて「おかしな現象だ」と思ったことがあります。 上役のために毎回資料をつくっているのに、彼らがそのすべてに目を通しているわけではないのです。
もっとも、忙しい管理者たちはすべての資料に目を通す暇もありませんし、「ようするに何なのか」を知りたいだけです。 だから結論だけを読んでいたりします。
細かなところまで重箱の隅をつついてきます。 そのころはまだワープロがなかったので、理不尽な思いを抱きながら、係長が赤で訂正した文章を必死に書き直していました。
日本の組織は膨大な時間を無駄にしているのではないだろうか。 もっと違うコミュニケーション手段が開発されたら、2、3割は生産性が上がるのではないだろうか。
もっと効率的で納得のいく方法はないだろうか。 ちょうどそのようなことで悩んでいたころ、ある課長との会話が私にヒントを与えてくれました。

私が提出した文書を読んで、課長が問いかけたのです。 「3と4がここに影響を与えているとは考えられないだろうか」確かにそれもあるなと同意すると、「明日までに調べてデータを補強してくれないか。
それから、ここの図を書き換えてみてくれ」職場でも尊敬されていた課長は一つねに相手が納得できることを的確に指摘していました。 「この人の話が納得できるのは、ものごとを関係性で捉えているからではないだろうか。
伝えるのには、どうやら庁図がふさわしいのではないだろうか」「伝達の方式と記憶力の関係」というアメリカ空軍のデータによると、命令をしてから5日後には、ことばだけだと10%、図表だけでは20%しか覚えていないそうです。 ですが言葉と図表の両方を用いれば、60%も残るという結果も出ています。
若かりし頃、悪戦苦闘しながら思い当たった答えは、今図解コミュニケーションということばに成長しました。 実践を積むなかでその有効性への確信をますます深めています。
図解コミュニケーションは、文章中心のコミュニケーションの限界を克服した、誰もが理解できる明快な方法です。 コミュニケーションのパワーアップを図ることができるテクニックだと思っています。
携帯電話もFAXも今ほど使われていなかったころ、駅に着いた人から「これからそちらに行くので道順を教えてください」と言われると、目印や距離を電話で細かく伝えたものでした。 わかりやすく教えているつもりでも相手に伝わっているか不安で、到着するまで落ち着かなかったことを覚えています。
というのも、ことばだとそれぞれの人がイメージを形づくりながら聞くので、とんでもない勘違いが起こることがあるからです。 今なら地図を、FAXをしておけば10人が10人迷わずに到着するでしょう。
「地図」ということばには、「地のなかに図が浮かび上がってくる」という意味があります。 「地」を見ただけではわからないけれど、整理された「図」を見せてもらえばそのものを理解することができます。
ポイントがわかります。 混沌としている現場から図をつかみ出す。
改善を加えながら直していきますから図は進化していきます。 まったく新しい図をつくり上げていきます。
現場に立脚したところから創造へと発展させていくわけです。 現場から図をつかみ出すためには、現場をしっかり見る目が必要です。

それぞれの関係性などを理解する能力がないと的確な情報をつかみ、整理していくことができません。 理解することは、全体がわかり、部分同士の関係がわかるということです。
大事なのは自分が理解したことを表現すること。 表現ができないのは、わかっていないのと同義です。
さらに内図が役立つ理由の1つにスピードの速さがあります。 例えば私が誰かに寸こんにちは」と挨拶します。
そうするとそこに回路ができて情報が流れます。 そのときのスピードが文章だと時速30キロです。
途中の細かいことばの意味で議論になったり文章を直したりするので時聞がかかります。 一方図解だと大きな枠がすぐにできますから情報は時速100キロで走ります。
図の場合は見た人が自分なりに解釈してくれますから、押し付けがましい感じがありません。 大きなメリットです。
図解は基本的にマルと矢印でできています。 コ一角や点線はマルや矢印のアレンジしマルはものごとの「構造」を表し、矢印は物事の「関係」を表します。


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